1) 金時豆粉末から水抽出, 熱処理, エタノール分画, DEAE-セルロースクロマトグラフィー, Sephacryl S-200ゲルろ過により電気泳動的に均一なα-アミラーゼインヒビターを単離した.熱処理後からみて, 比活性は約11倍上昇し, 収率は42%であった. 2) 精製インヒビターの分子量はゲルろ過法で45,000, 糖含量はフェノール硫酸法で15%と推定された.また, SDS電気泳動の結果, 本インヒビターは3種のサブユニットから構成されていると考えられた. 3) アミノ酸分析の結果, アスパラギン酸, セリン, バリン, スレオニン, グルタミン酸が多く含まれ, 含硫アミノ酸は少なかった. 4) 精製インヒビターはブタすい臓およびヒト唾液α-アミラーゼを強く阻害したが, 植物や微生物のアミラーゼを阻害しなかった. 5) 精製インヒビターのブタすい臓α-アミラーゼに対する阻害活性はpH鼠5, 37℃において約40分後に最大に達した.