1~4%のゼラチン, 0~3%のトリグルコサッカライドの糊料が, 50%卵白希釈液の熱凝固性に及ぼす影響について検討した.pH9.2~9.3の卵白を使用し, 食塩濃度0.9%とした。各糊料と卵白の混合物を40 分間, 80±2℃で湯浴加熱して作製した卵白ゲルのかたさ, 離漿量および風味について調べた. ゼラチンを1%以上添加することにより, 卵白濃度50%の場合も型くずれを抑制することができた.ゼラチン濃度が高くなるとゲルはかたくなった。また, 糊料としてトリグルコサッカライドとゼラチンを用いた 50%希釈卵白ゲルの走査電子顕微鏡像による表面構造は, 冷蔵庫保存7日後も良好であり, 80℃40分加熱の卵白ゲルの離漿中の水溶性タンパク質電気泳動嫁においては, オボグロブリン, オボムコイドの泳動帯の染色が濃くなった. トリグルコサッカライドの添加は, 卵白ゲルの離漿量を増加させたが, 味に濃厚さを与え, ゼラチン3%添加を同時に行うことで, 離漿量がおさえられ, 官能検査の結果, 風味の向上もみられた.