種々の油脂のコンシステンシーとそれを用いたクッキーのレオロジー的性質との関係を調べた.示差走査熱量計による分析の結果, ラードとパーム油の吸熱ピークは広い温度範囲にわたること, 一方, ヤシ油とパーム核油は融点 27℃ に鋭い吸熱ピークをもつことが観察された.エステル交換によって, 大豆油, パーム油およびヤシ油からなる混合油の融点は低下し, 固型油の各温度ごとのかたさは減少した.液体油から調製されたクッキーはかたく, かつ, われやすく, 一方, パーム油やラードなどの可塑性をもつ油から調製されたクッキーはこまかい層状構造や気泡のためにもろかった.官能検査の結果でも同様の傾向が得られた.