3種の市販洗剤用タンパク質分解酵素試料について洗剤成分15種 (界面活性剤5種, ビルダー・性能向上剤10種) の酵素活性への影響を活性, 円偏光二色性, 旋光度の測定により調べ, 顕著な阻害を示す硫酸ナトリウムとドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムについて, 阻害形式を Lineweaver -Burk プロットから検討した. その結果, 次のことが明らかになった. 1) 今回使用した, タンパク質分解酵素試料の活性に対する15種の洗剤成分の影響は (1) 酵素活性にほとんど影響しないもの (ケイ酸ナトリウム, 炭酸ナトリウム, CMC), (2) 活性を低下させるもの (DBS, SDS, AOS, 硫酸ナトリウム, ケイ光剤, NTA), (3) 活性を上げるもの (非イオン界面活性剤, 過ホウ酸ナトリウム), (4) 長時間経過後に活性を低下させるもの (ゼオライト) の 4形式あることがわかった. 2) 3 種の陰イオン界面活性剤は, 著しく活性を低下させたが, 非イオン界面活性剤 APE, PHE は活性をやや増加させた. 3) 活性を低下させた硫酸ナトリウムによる阻害は不拮抗型であり, DBS による阻害は拮抗型であることがわかった.