小麦粉グルテン形成量の低下がスポンジケーキの膨化におよぼす影響を検討するため, (1) 小麦粉と小麦でんぷん混合粉, (2) 湿熱粉, (3) 脱脂粉を作製, 粉の成分特性およびスポンジケーキの品質を測定し, 次の結果を得た. 1) 小麦粉に小麦でんぷんを添加した場合, 小麦でんぷんの増量に伴い, バッター比重, かたさおよび粘りの減少, ケーキ体積の増加, 最大膨化量および焼き縮み量の増加が観察された. 2) 65~70℃湿熱粉では, 湿麸量の減少に伴い, バッター比重の減少およびケーキ体積の増加がみられた. 3) ジエチルエーテル脱脂粉では, 湿麸量, バッター比重にはほとんど変化がなかったが, 最大膨化量, 焼き縮み量ともに大であり, ケーキ体積は小さかった.また, この脱脂粉ケーキの特徴は, 脱脂粉に抽出脂質を添加することにより消失した.