米粉蒸しカステラの実用的利用方法として, ガス高速レンジを用いてラスクに加工する目的で, 望ましい調製条件を追究し, さらに製品を缶とポリエチレンの容器に20±3℃で90日間保存して, その製品の性状, 食味の変化ならびに保存中の油脂の酸化について検討した. 1) 望ましいラスクの調製法は製品の硬さや色調が優れ, 嗜好面からも有意に好まれる評価を得た125℃で20分間焙焼を最適調製条件とした.このラスクの折れ曲げ強度値と水分量において y =23.08-1.29 x の回帰式が得られ相関係数は-0.971の高い逆相関を示した. 2) 大豆粉50%添加ラスクは米粉100%のラスクに比し, 1%の危険率で硬さが有意に好まれ, 色・風味に優れて糊化度も80%以上と高く, しかも栄養上望ましい. 3) 90日間保存中の大豆粉50%添加製品は糊化度も80%と安定した値を保ち, しかも油脂の性状変化ではAV, PoV, CoVの値は経日とともに上昇したが, AVは1.0以下であり, 作成直後の製品に比し, 酸化促進の差はわずかで, 食味は総合評価で有意差なしと判定された.