もちおよびうるち米に対して水洗, 硫酸銅処理した試料についてアミログラフによる粘度試験を行い, 次の結果を得た. 1) 3回の水洗操作による溶出物は精白米の各成分を100として, 粗脂肪 : 74%, 灰分 : 55%, 粗タンパク質 : 7%が溶出した.また, もち米とうるち米ではほぼ同様の溶出量であった. 2) 水洗処理したもちおよびうるち米のアミログラムからはもち米では水洗回数が多くなるにつれて最高粘度が大となったが, うるち米では水洗をしても最高粘度は, 増加しなかった. 3) 硫酸銅処理したもちおよびうるち米のアミログラムからはもち米では水洗精白米よりさらに最高粘度が大となったが, うるち米では硫酸銅処理すると最高粘度が逆に低下し, 負に作用した. 4) 米粉のアミログラム特性値を求める場合には, うるち米では米粉そのままを用いてもよいが, もち米においては水洗によって酵素を除去するか, 酵素阻害剤である硫酸銅を添加するなどの考慮が必要と考える.