数種の界面活性剤が配合された市販洗剤の生分解性を調べるために, LASを含む代表的な洗剤 6 種を選び, リバー・ダイ・アウェイ法により, 生分解試験を行うとともに, 洗剤中のLASの生分解挙動を HPLC を用いて, クロマトグラムの変化から検討した. その結果, 6種の市販洗剤では, 各界面活性剤の生分解性は, まず易分解性の活性剤から分解し, 次いで LAS が誘導期を経て消失し, それぞれ単独に生分解が生じていることがわかった.6種の洗剤のうちAがもっとも分解しにくく, 温度の低下により誘導期間が増大するため, 低温での生分解が著しく悪かった.HPLCによる分析の結果, 洗剤間の分解性の差は, 含有するLASの組成の違いによるものであり, 洗剤Aに含まれている LAS は, 分解性の悪いC14LASが多いため, 消失に時間がかかることが確認された.