本研究は, 団らん空間に影響を及ぼす要因を抽出する目的で調査を行った.本報では, まず, 団らん空間の実態について分析を行った.結果を要約すると以下のとおりである. 1) 団らん空間の場所, 団らん空間と接客空間との兼用状態は, LDKタイプとの関連で決定される. 2) 季節による生活様式 (室の様式, 起居様式) の変化が認められる.室の様式と起居様式との間には高い相関があるが, それは集合住宅より戸建住宅で, 冬より夏で高くなっている.しかし, 若い世代を中心に, 洋風でゆか座, 和風で椅子座などの自由なしつらいが浸透しはじめている. 3) 戸建住宅では団らん空間に応接セット等の大型家具が置かれやすく, 集合住宅よりも画一的な住まい方がなされている.とくに, 応接セットを置いている場合は, より画一的となり, ソファ, テーブル・座卓などを置いている場合は, 自由なしつらいがされやすい.また, 洋風, 椅子座の場合, よりたくさんの家具を置く傾向にある.