粉アメおよびMCTを0~40%の範囲で0.5%の粉末寒天ゲルに添加し, 両者のゲルに及ぼす影響を検討するとともに, ショ糖12%, MCT 20%添加ゲルの甘味料としてのショ糖の一部を粉アメにおきかえた場合の粉アメの適正使用量について, 物性および嗜好性の両面より検討を行った. 1) ゲルの粘弾性については, クリープ曲線より解析した. 弾性率は, 粉アメの影響を強く受け, 粉アメ添加濃度の上昇に伴い値は上昇し, 粘性率は, MCTおよび粉アメの両者の増加に伴い上昇した. また, MCT 20%添加ゲルにショ糖と粉アメを併用した場合, 弾性率には, ほとんど変化が認められなかったが, ニュートン流体の粘性率は, 粉アメ添加量が多くなるほど高値を示した。また, カードメーターによる, ゲルのかたさと破断力の測定結果より, いずれも, ショ糖添加量が少なく, 粉アメ添加量が多くなるほど, 値が上昇することが示された. 2) ゲルの色の測定結果では, MCT添加ゲルでは, 粉アメの添加量増加に伴い, 黄色度は上昇傾向を示し, 20% MCT添加ゲルに, ショ糖, 粉アメを併用した場合も, 粉アメ添加濃度がふえるに従って, 黄色度は上昇傾向を示した. 3) 評点法により, 20%のMCT添加ゲルの嗜好性を検討した結果, 粉アメ10%, ショ糖10%添加したゲルは, 弾力性, 甘さ, 舌ざわり, あとくち, 総合評価において, 基準ゲル (ショ糖12%, 粉アメ0%添加) よりも, 有意に ( p <0.05) 好まれた.