料理・食品および嗜好を要素として構成される朝食の「食事パターン」と食習慣および健康状態との関連性を探索し, 次の結果を得た. 1) 朝食の「食事パターン」は食事として充実度の高いものから低いものまで和風充実型, 洋風充実型, 洋風偏食型, 辛党偏食型の4タイプに分類された. 2) 朝食の「食事パターン」と属性および食環境との関連性では, 20~30歳代で洋風偏食型が多く, 50歳代で和風充実型が多かった.また, 孤食の場合は家族と共に食べる場合に比し, 辛党偏食型が多かった. 3) 朝食の「食事パターン」と食行動との関連性では, 間食, 2回食, 食事時刻の不規則性, 21時以降の飲食, 飲酒回数が多い, 食べる速度が速い, 食べる量が多い等の場合に和, 洋とも充実型が少なく辛党偏食型が多かった.一方, 食事づくりを毎日するものには辛党偏食型が少なく, 洋風充実型が多い傾向が認められた. 4) 朝食の「食事パターン」と食意識との関連性では, 食生活の満足度が高い, 食事への配慮をしている, 食事に対する自己評価が高い場合に和, 洋とも充実型が多かった. 5) 朝食の「食事パターン」と臨床データとの関連性では, 有意な関連性は認められなかった. 6) 朝食の「食事パターン」と運動の習慣との関連性では, 習慣のある場合に和, 洋とも充実型が多い傾向を示した. 以上より朝食の「食事パターン」は食習慣を評価する尺度として有用であることが示唆された.朝食の「食事パターン」を要素とする栄養教育は今後の社会構造の変化にも対応することが可能であり, 従来からの栄養素を要素とする方法に比較し, より実践性を高める方法として有効であろうと考えられる.