実際の咀嚼筋活動量とよく対応するテクスチャーの測定方法, および唾液の影響を検討し以下の結果を得た. 1) 筋電図によって求めた咀嚼筋活動量は, 食物がおもな決定要因であった. 2) log (かたさ×凝集性×ひずみ×10) は咀嚼筋活動量ときわめて高い相関を示した.これをテクスチャーパラメータの一つと考え「かみこたえ」とした. 3) かたさの測定は直径13mm円柱プランジャーよりもV型プランジャーのほうが咀嚼筋活動量との対応がよかった.またV型プランジャーによるかたさは咀嚼初期 (5ストローク) の最大振幅量と高い相関が認められた. 4) 唾液の浸漬により物性に変化の認められる食物は, でんぷん質で付着性のあるものと, 吸水性の高いスポンジ状の食物であった.これらの食物は咀嚼筋活動量と対応させるには, 唾液浸漬後の物性値を用いることが望ましい.