かつお節水だし汁を試料とし, ポーラスポリマー樹脂を用いてカラム吸着法により水溶液中の香気成分を捕集する方法を検討した. 1) かつお節水だし汁をPorapak Q またはTenax GCを充填したカラムに通すと, 香気成分はカラムに吸着され, これを少量のエチルエーテルで脱着すると効率よく香気成分を捕集することができた. 2) 本方法で分離したかつお節水だし汁の香気成分をGCおよびGC-MSで分離・分析した結果, かつお節の香気成分として新たに4種の化合物を同定した. 3) 水だし汁に含まれている呈味成分として遊離アミノ酸および5'-IMPを定量した結果, 脱臭後も呈味成分はカラム流出液中にほぼ完全に回収されることがわかった.