シイタケ調理過程中での5'-ヌクレオチドの蓄積に重要な役割を果たしているRNAや酵素活性の分布の成長段階での変化を検討した、その結果は次のように要約できる. 1) 水溶性タンパク質量, RNA量はシイタケの菌柄部より菌傘部に多く含まれており成長につれて減少した.成長段階の後半では, 菌傘部でのこれらの濃度はひだ部>表層部>中間部の順となった. 2) ホスファターゼ活性は, 成長するにつれて, 菌傘部では減少傾向にあったが, 菌柄部ではほとんど変化しなかった.また, この活性は各成長段階で菌柄部より菌傘部で大きかった.菌傘部のホスファターゼ活性は表層部にやや片寄って分布していた. 3) 菌傘部のヌクレアーゼ活性は成長段階の前半では菌柄部より小さく, 後半では逆に大きくなった.菌傘部のヌクレアーゼ活性はひだ部により強く分布し, ひだ部では, おもに担子柄と胞子の部位に分布していた.