ニコチンアミドの異化代謝に日内変動があるか否かを調べるために, 実験日の第2回目の排尿から翌日の第1回目の排尿まで (いわゆる1日間尿) を各排尿ごとに別々に集め, ニコチンアミドの主要な異化代謝産物であるN1-メチルニコチンアミド (MNA) およびそのピリドン体 [ N 1-メチル-2-ピリドン-5-カルボキサミド (2-Pyr) と N 1-メチル-4-ピリドン-3-カルボキサミド (4-Pyr)] の尿中排泄量を測定した.さらに, 2-Pyr/4-Pyr排泄量比および (2-Pyr+4-Pyr) /MNA排泄量比の日内変動についても計算した.なお, 食事は日常摂取しているものを自由に摂取させた.各値は1時間当たりの排泄量で比較した.その結果, 上記の排泄量ならびに排泄量比は, 被検者間では, かなりの差異が認められたものの, 同一被検者内においては, 大多数はそれほど顕著な変動は示さず, また, 一定の日内変動も示さなかった.