日光法会にあらわれる膳組について, 膳組と客の身分・役職の関係を検討し, さらに膳組の格式を区別する要素について確認した. (1) 201例の膳組は, 4汁16菜から1菜までの15段階に区別され, 最も格式の高い七五三 (4汁16菜・膳が三つ) の膳組は日光門跡に供された.膳組の格式は朝鮮信使の来聘や勅使の参向の場合と同様, 客の身分・役職と饗応の目的によって区別されていた. (2) 膳組の格式を区別する要素では, 前報で確認された六つの要素のうち, 第1から第5の五つの要素が再確認された.さらに第7の要素として飯米の精白度が加わり, 以上七つの要素で膳組の格式を区別していることが確認された.