前報において, パール状澱粉を調理する場合, 煮くずれせず, 芯がなく, しかも歯ごたえのある, 食感のよいパールを簡単に得る目的でタピオカパールの加熱方法を検討した.その結果, 水湯煎法とポット法が好まれる結果を得た.本報告では, これらの加熱方法を用いて「ゼリー」という調理法をとりあげ, 好ましいタピオカゼリーを得るための加熱時間, 砂糖の添加方法および冷蔵時間の影響をテクスチャー測定および官能評価から検討した.結果は次のとおりである. (1) 砂糖の添加方法は, 後添加のほうが芯が小さく, かたさや付着性は小さくて, 弾力のある好ましい物性のタピオカパールが得られた. (2) 冷蔵による影響では, 冷蔵時間が増すに従い, 直径, かたさは増加するが, 凝集性, 付着性は低下した.その変化は冷蔵2時間以上で大きく示された. (3) タピオカゼリーの官能評価から, 冷蔵時間は短いもののほうがより好まれる傾向を示した.加熱方法は, 水湯煎法では後添加2.5時間加熱, ポット法では後添加3.5時間加熱のものが好まれ, 物性値との対応が認められた.このことから, ゼリーは冷蔵してから短時間に供するほうがよいと考えられる.