1) 養護学校群146名 (年齢6~17歳) および対照群900名 (年齢6~17歳) を被検者として, 甘・酸・塩・苦味食品について食味嗜好調査を行った. 2) 被検者を年齢別, 障害別に類別し, 甘・酸・塩味食品に対する嗜好度を比較した。年齢別では, 養護学校群 (6~11歳, 12~14歳) は対照の小・中学生に比べ, いずれの群間でも有意に低値を示したが, 養護学校群(15~17歳) と対照の高校生との間ではほとんど有意差がみられなかった。これらから養護学校群は, 年齢別では低年齢層ほど, 障害別には障害の重い群ほど, 食嗜好, 食体験, 食欲求が乏しいことが考察される. 3) 食味平均嗜好度を変量として, 性・年齢, 障害別に数量化皿類による分析結果, 養護学校群と対照群の嗜好パターンの相違や, 障害の度合による嗜好差が認められた.脳性小児麻痺群, ダウン症候群被検者群, 痙攣症候群被検者群 (男子) の嗜好食品としては甘味食品があげられ, 痙攣症候群被検者群 (女子), 精神遅滞群, 自閉症群, 対照群の嗜好食品ではその多くは塩・酸味食品となっていることが定量的に2次元空間上に分類・観察できた.