本報では, 大型の新水流洗濯機の8機種をとりあげ, 毛布の洗浄に対する各メーカーの取扱い説明書の指示に従って洗浄を試みた.すなわち, タフト毛布 (アクリル100%) を, 市販洗剤を用いて, 繰り返し10サイクルの洗浄を行い, どの程度の洗浄効率が得られるか, 被洗物の性能変化の程度はどうか, および操作性等について比較検討した. その結果, 洗浄効率, 性能保持については, (1) 洗濯用ネット使用の有無, (2) 洗濯槽に対する脱水槽の大きさ等の影響が大きいことが明らかになった. (1) のネット使用の有無については, ネットを使用していないA, E, H洗濯機では, 洗浄効率は高いが, 反面, 表面状態の劣化は大きかった.とくにA洗濯機でその傾向が最も大きくあらわれた. また, 逆にネットを使用したB, D, F, G洗濯機では, 洗浄効率が低く, 反面, 風合い等の性能変化は少なかった.なかでもG洗濯機で, その傾向が大きく, 原布に近い良い表面状態に仕上がっていた. (2) の洗濯槽, 脱水槽の大きさについては, 二槽式では, 脱水槽への毛布の出し入れ時に, 無理がかかり, 表面状態の劣化を招く一因となった.とくに, 脱水槽のいちばん小さかったB洗濯機で劣化が大きくあらわれた. さらに, 操作上からは, 毛布のような大物の被洗物では, 含水状態での洗濯槽から脱水槽への移動等の労力が少ない点で, 二槽式より全自動式洗濯機が優れており, この点では, 毛布の洗濯機洗浄は, 全自動式洗濯機に絞られそうである.