本報では団らん空間に対する前研究に引き続き, 団らんへの「ながら参加」をとりあげ, キッチンの位置が主婦の団らんへの「ながら参加」に及ぼす影響についてみ, さらに, 「ながら参加」の面からみた望ましい団らん空間について検討した. その結果, 以下のようなことがらが明らかになった. (1) 主婦が家事をしながら団らんに参加する「ながら参加」は夕食前後にわたっている.夕食前は子供と母親との団らんの時間であり, 対話があれば, 内容に関係なく主婦は「団らん」と考えている.夕食後は, ほぼ全員での団らんの時間であり, 「ながら参加」も団らんであると考えている. (2) 「ながら参加」に対しては, 会話への参加の程度により団らん参加意識に差が認められる.キッチンの位置が対面型や側面型は「ながら参加」しやすい型であり, とくに, 対面型は95%の人が会話に加わっている. (3) 「ながら参加」を団らんと思う人ほどLDKの満足度が高く, 団らんとの関係からみると, 望ましいタイプとして対面型をあげる人が多く, とくに, 子供が小さいころや「ながら参加」を団らんであると思う人に高く評価されている.