女子大学生の昼食行動と食生活との関連を調べる目的で, 女子大学生の昼食の取り方について弁当群 (A群) 146人, 外食群 (B群) 140人の計286人に昼食行動に関する意識調査を行い, さらに岡じ対象者のA・B群より弁当群 (a群) 60人, 外食群 (b群) 60人を無作為抽出し, 生活行動調査と食物摂取量調査を実施し, 次の結果を得た. (1) 対象者は自宅生が94%と多く, 昼食のとり方は弁当群 (4日以上弁当/週) 51%, 外食群 (4日以上外食/週) 49%であり, それぞれ簡便化を志向し, 習慣化していた. (2) 月額の小遣い額は弁当群27,911±13,381円, 外食群31,589±13,027円であり, 外食群の昼食代は小遣いの22~33%に相当した. (3) 身体状況では弁当群・外食群ともに, 体型は太っていると思う傾向が強く痩身型志向が多くみられ, 生活行動調査でも消費エネルギー量は摂取エネルギー量を弁当群が 253 kcal, 外食群が292 kcal上まわり, 痩身体型の現状を裏づけた.また両群ともに疲労感のある者は91%に及んだ.食欲は, 外食群では弁当群に比し, 食欲のない者が5%高率であった.休養では, 休養不足がちと思う学生は外食群のほうが弁当群より21%多かった. (4) 生活行動調査では弁当群は学業時間が53分長く, 一方, 外食群では休養に関与する睡眠時間が17分と余暇時間が31分長く, 両群の生活時間に若干の相違を認めた. (5) 食事調査による欠食率は, 外食群のほうが弁当群に比し, 朝食10%, 昼食6%, 外食3%高かった. 1日あたりの栄養素摂取量では, 栄養的には弁当群のほうが多少良好とはいえ両群ともにエネルギー量が低く, カルシウム, 鉄の不足が顕著であった.摂取食品数も両群ともに22品目前後にとどまっていた. (6) 買取り調査での昼食内容は弁当群では食品数平均10品目をとっていたが摂取重量301gと少なく, また所要量の1/3量に対し, エネルギー量や栄養素不足の現状にあった。一方外食群は, エネルギー量は充足していたが, 食品数は弁当群に比し平均8品目と少ない. (7) 外食内容の選択は両群ともに好み・見た感じを優先していた. (8) 食生活の満足感では満足者は弁当群42%, 外食群33%にすぎず, 不満足者は外食群が3%多かった. 総合的にみると, 外食群は家事的生活時間や余暇時間がやや長く, 一方, 弁当群は外食群に比し勉学時間が長く, 1日あたりの食事調査からは欠食者も少なく, 栄養素摂取量ではやや良好と判断された.しかし総体的には両群ともにやせ志向を根底に摂取食品数, 食事量, 安易な食選択等々, 昼食行動に慎重さが欠け必然的に1日のエネルギー量や栄養素不足になっていることがうかがわれた.今後いっそう自己管理能力を高めるための積極的アドバイスを加えた実践的教育の強化の必要性を痛感するとともに, 近い将来健康な母親となるべき女性としての反省と努力を望みたい.