肉スープストック中のタンパク質に対する, 調製時の温度の影響, および筋肉タンパク質の加熱可溶性に及ぼす塩濃度の影響について検討し, 以下の結果を得た. (1) ストック調製時の加熱温度の上昇に伴い可溶性タンパク質量は増加し, 70℃, 80℃加熱では92℃加熱に比べて可溶性タンパク質量は70~80%であった. (2) 筋漿タンパク質を沸騰水中で加熱するとき, 0~0.15M KClの範囲で加熱可溶性タンパク質量, 低分子物質量に変化はみられなかった. (3) 筋原繊維タンパク質を沸騰水中で加熱した場合, 0.15M KCl中では0.05M KCl中に比べより多く可溶性タンパク質量が増加したが, そのSDS-PAGEパターンには差はみられなかった.