ゴボウとヤマゴボウの炭水化物組成の比較を行うため, それぞれの脱脂粉末試料を熱水, 4%KOH, 24%KOHで順次抽出分画し, 得られた各画分を糖組成分析, 糖結合様式分析等に供した.ゴボウおよびヤマゴボウの両者とも貯蔵多糖としてフラクタンを有しており, フラクタンと細胞壁多糖の割合は前者で47 : 53, 後者で66 : 34であった.また, 細胞壁多糖は, ペクチン様物質 (中性糖を含むラムノガラクチュロナン) とヘミセルロース (アラバン, キシラン, ガラクタン, アラビノガラクタンそしてキシログルカン) とセルロースから成っており, これらの比率はゴボウで53.6 : 8.0 : 38.4, ヤマゴボウで55.8 : 7.2 : 37.0であった. ヤマゴボウの食物繊維としての効果は, これまで知られているゴボウのそれと同じであることが期待される.