バター, マーガリン摂取による, 血漿コレステロール濃度の変動に及ぼす摂取タンパク質の種類と含量の影響を, 0.5%コレステロールと0.25%コール酸ナトリウムを含む飼料を投与し検討した. (1) 成長と飼料摂取量はバターとマーガリンによる違いはないが, 摂取タンパク質の種類と含量による影響が大であった. (2) カゼイン, 分離大豆タンパク質, 卵アルブミンと日本家政学会誌 Vol.42 No.3 (1991) も血漿コレステロール濃度はバターに比べマーガリンで低値を示した.しかし, 小麦グルテンではバターとマーガリンによる違いはなかった. (3) 血漿コレステロール濃度は, カゼイン, 分離大豆タンパク質とも10%群に比べ25%群で低値を示したが, 卵アルブミンは10%群に比べ25%群で上昇した.小麦グルテンはタンパク質含量による血漿コレステロール濃度への影響はなかった. (4) 肝臓コレステロール含量はバターとマーガリンによる影響より, 摂取タンパク質含量の影響が大であった. (5) カゼイン25%群, 卵アルブミン25%群の場合, 肝臓トリグリセリド含量はバターに比べマーガリンで上昇した. 以上の結果, 摂取脂肪による血漿コレステロール濃度の変動は, 摂取タンパク質の種類や含量によって異なることが示唆された.