Ganoderma lucidium No.15が細胞外に産生するアミラーゼをイオン交換クロマトグラフィー, ゲルろ過等によりポリアクリルアミドゲル電気泳動 (PAGE) 的に均一になるまでに精製し, その性質を調べた. (1) 本酵素は, その分子量がゲルろ過法により53,000, SDS-PAGEにより55,000であると推定されたことから, モノマーからなることが示された. (2) 本酵素の活性の最適pHは5.0, 最適温度は55℃であった.また, 等電点は6.8を示した.酵素は0~40℃, pH4.5~9.0の範囲で安定であった. (3) 可溶性でん粉に対するKm値は83%であった. (4) 本酵素の活性はCu2+, Hg2+, Fe2+, Ag2+, モノヨード酢酸, p-クロロメルクリ安息香酸によって阻害された. (5) 本酵素は数種の生でん粉に対しても作用し, 小麦ならびにトウモロコシの生でん粉に対する活性は, それそれを糊化したものの18, 6%, 16.5%の値を示した.しかしながら, ジャガイモ生でん粉に対してはほとんど作用しなかった. (6) 本酵素は, これらのでん粉を基質とした反応で, グルコースのみを生成することからグルコアミラーゼの一種であると推定された.