茜中の色素成分の染色挙動を明らかにするため, 4種のオキシアントラキノン類 (1-ヒドロキシアントラキノン (HAQ), キニザリン (QZ), アリザリン (AZ) およびプルプリン (PR)) の絹に対する染色性を調べた. 未媒染絹に対するHAQとQZの染色等温線は直線すなわち分配型となった.AZおよびPRのそれはF型になった.QZの絹に対する染着は発熱的であり, 染着量は温度が低いほど多い.染色熱や標準親和力は比較的親和力の小さい分散染料の場合に近い値となった. HAQとQZは絹に吸着されたAl3+と配位しないが, AZとPRは配位が可能であり, これらの染料のAl3+先媒染絹に対する染色等温線はH型となり, 低い染料濃度でも高い吸着量を示した.