低脂肪食と共にエタノールを長期にラットに投与したときの肝臓および血清脂質に対する影響を検討した. SD系雄性ラットに36カロリー%のエタノールを含む10カロリー%脂肪の液体食を 42日間与えた.対照群には, エタノールの代わりにグルコースを添加した食餌を pair-fedで与えた.肝臓総脂質, コレステロール, 中性脂肪はエタノールの投与により有意に上昇したが, その程度はこれまでに報告されている高脂肪食条件下のものより小さかった.また血清脂質においては, エタノールの投与により遊離脂肪酸が有意に上昇したのみで, 中性脂肪, リン脂質には変化がなかった.コレステロールは逆に低下した.以上の結果から, 低脂肪食を与えた条件下では, エタノールの長期投与による脂質代謝の変動は小さいものと考えられた.