米飯の光沢度を計る食味計を用いて, 県内産米23点の食味評価を行い, 官能試験の結果と一致するか否かについて検討するとともに, 米ならびに米飯の理化学性等について測定した. (1) 米の銘柄区分と食味評価 (官能試験, 味度メーター) との関係ではI類が上位を示し, II類は中位, III類は下位となり, 食糧庁の米の銘柄区分とほぼ一致した.また, I類間の比較では, コシヒカリが最も食味がすぐれていた.なお, 北海道のきらら397ははなの舞と同程度の食味評価を示した. (2) 官能試験の食味評価と味度メーターの食味評価との間には有意な相関が認められ, 味度メーターは米の食味を評価する手段として有効であることが認められた. (3) コシヒカリはいずれの生産地でもタンパク質, アミロース, 溶出固形物量, ヨード呈色度が低く, 米飯のテクスチュロメーターによる物理的性質, 硬さ/付着性, 硬さ/粘りも低かった.また, 精白米粉のアミログラムでは最高粘度, 崩壊度は高く, 老化度は低い値を示した.これらの傾向は他の銘柄米と比較して明らかであり, コシヒカリの大きな特徴と認められる. (4) 官能試験の食味評価と理化学的性質について有意性を検定, 精白米のアミロース含量, 炊飯液のヨード呈色度, 米飯のテクスチャー (付着性), 精白米粉のアミログラム (最高粘度) の4項目において食味評価と相関関係があることが認められた. (5) 平坦部と中山間部, 山間部との関係では測定項目によって多少差異が認められたが, 一般的な傾向としては米の銘柄区分でみられたような極端な差異はみられなかった.