高血圧自然発症ラット (SHR) においてアルギン酸カリウム (K-Alg) の飼料レベルを変えた場合に各種陽イオンの出納, 血圧, 脂質代謝にどのような変化を及ぼすかを追求した. 1) 血清の総Chl値は差がなく, HDL-Chl値は対照群に比べて5% K-Alg群で有意に高かった.動脈硬化指数は対照群に比べ5%, 10%とK-Algの飼料添加量に応じて有意に低下した.全肝臓Chl値は対照群に対し3%K-Alg群は有意に低い値であった. 2) 血圧の経時変化は, 対照群が徐々に上昇傾向を示したのに対しK-Alg群は, 10%レベルで1週目に有意に低下し, 3%, 5%の両K-Alg群も2週目には有意な低下を示した.3週目はK-Alg群間に差はなかったが, 対照群に対し全K-Alg群で低下した. 3) 代謝ケージの2日間では飼料K-Algレベルが高いほど飼料摂取量と乾燥糞重量は高値を示した.Naの糞への排泄率は5%と10%のK-Alg群において増加した.尿中K量は全K-Alg群で増加した.K, Ca, Mgの体内保留率は正であった. 4) 血圧の変動と密接な相関関係を示したのは, 血清K, 尿中K排泄量との負の相関, ついで血清Na/K比との正の相関であった.