日本古来に栽培されていた赤米の調理や加工品を開発するために, 「縁喜米」赤米について, 見かけのアミロースの割合, 水分含量, 加熱吸水率, 膨張容積及びヨード呈色度から理化学的性状, 組織構造, 色素について調べた.赤米 (縁喜米) とうるち米 (コシヒカリ) はエステラーゼアイソザイム型は同じであった.赤米の水分含量は, 11.0%とうるち米・もち米に比べて少なく, 見かけのアミロース含量は10.2%であった.歩留り96%赤米の加熱吸水率, 膨張容積は, うるち米に比べて小さく, 歩留り92%赤米ではうるち米と差がなかった.炊飯液の赤米のヨード呈色度はうるち米より大きく, デンプンの溶出量が多かった.赤米粒内部中央部胚乳のデンプン細胞配列はうるち米よりもやや緻密の傾向にあった.赤米の玄米中の赤い色素は, pH 2~9の条件下で呈色に変化は見られなかった.