水溶液系において卵白リゾチームとリノール酸メチルの混合物に紫外線を照射した後, 40℃で反応させたところ, リゾチームが重合した. この重合物の分子サイズは, 還元剤ジチオスレイトールで処理しても変化しなかった. スクシニル化によりアミノ基を保護すると, 重合化は起こらなかった.また, SH基のカルボキシメチル化によりS-S結合を切断すると立体構造が変化し, 重合化が促進された.以上の結果から, この重合化反応にはS-S結合は関与せず, リジン残基のアミノ基が寄与していることが明らかとなった. また, 立体構造の変化もこの重合化反応に関与していることが示唆された.