ポリデキストロース, 難消化性デキストリン, グアガム部分分解物の三種の食物繊維に結合する水を収着等温線とパルスNMR法を用いて追跡した. 水溶性食物繊維の単分子層吸着水量は4~7g/100g乾燥物で, パルスNMR法から算出した結合水量 (1~3g/100g乾燥物) よりも若干高かった.さらに水溶性食物繊維の結合水の相関時間は自由水のそれよりも約103倍長い2~5×10-9secであることから, パルスNMR法を用いれば基質相互間の影響が少ない希薄水溶液中で単分子層吸着水に相当する水を定量することが可能であると考えられた. また, 10℃~30℃へ昇温させた際の結合水形成におけるエンタルピー変化量が-14~-36kJ/molであったことから, 結合水の形成は発熱反応で結合水1分子の形成に1~2個の水素結合が関与していると考えられた.