真空調理時の加熱温度の影響を鶏肉の表面の色調, 硬さ, プロトンの磁気緩和挙動などを指標として追跡した. 鶏肉を加熱すると加熱温度が上昇するにつれて明度は上昇したが, 黄色度はほとんど変化しなかった. これらの色調の変化は50℃から60℃付近で特に急激に変化しており, 硬さの変化とよく対応していた. 一方, プロトンの緩和曲線の二相化への移行が50℃付近で起こり, 40℃~50℃での急激な構造変化を表していた.さらに, これらの温度による変化は鶏肉を真空処理しなくても認められた.