本誌では, 今月号から海外通信欄を設け, 海外会員から寄せられるレポート, 海外情報, 日本会員へのメッセージ等が掲載されることになった. 本稿はその第一報で, 米国ノースカロライナ州の高校の先生L.S. ロビンソン氏から寄せられたレポート “家政学は教育改革の触媒となり得る” である. 第2次世界大戦後のアメリカでは, 労働現場でより高度な教育を受けた労働力が求められるようになり, 進学率も増加したが, 今日, その教育の成果が十分にあがっているとは言い難い状況にある. 本稿では, その原因の本質の一端を学校教育以前に学習意欲を準備する家庭教育, 特に親の生活態度にあるとして, 真に教育の成果をあげるためには家政学, わけても次世代をになう生徒達への親業教育こそが重要であると述べている.