ゼラチンゾルの冷却条件がゲル化に及ぼす影響について検討した.結果は次の通りである. (1) ゾルを5℃で冷却した場合, 冷却速度は冷蔵庫内では緩慢であるが, 冷水では急速であった. (2) 静置状のゾルの粘度計測値を細線加熱法で測定した結果, 緩慢冷却は急速冷却よりゲル化時間が長く, ゲル化温度は顕著に高かった.ゼラチンの種類では, 低温抽出ゼラチンは高温抽出ゼラチンよりゲル化温度が顕著に高かった. (3) 試験管を用いてゾルの流動性よりゲル化温度を測定した結果, 各計測値は細線加熱法よりやや低い値となった. (4) 攪拌状のゾルのみかけの粘度を回転粘度計法で測定した結果, ゲル化開始温度は, 低温抽出ゼラチンの方が高温抽出ゼラチンより顕著に高いが, いずれも静置状ゾルの場合より低い値となった.ゲル化開始よりゲル化までの温度幅は, 高温抽出ゼラチンの方が低温抽出ゼラチンより大となった.