本研究では, タンパク質源・ミネラル源として栄養価の高い「豆乳」に着目し, そのタンパク質源としての骨代謝に対する効果を検討した. 実験には, 6週齢SD系雌ラット14匹を使用した.動物には, 卵巣摘出術を施し, 低Ca食 (0.01%Ca, 0.3%P) で28日間飼育した後, いずれも0.3%Ca, 0.3%Pを含みカゼインのみをタンパク質源とするカゼイン食群と, タンパク質源の3割を豆乳粉末におきかえたカゼイン・豆乳混合食群に分け27日間飼育した. その結果, カゼイン・豆乳混合食群は, カゼイン食群に比べ, (1) 海綿骨主体の脛骨近位1/3, および皮質骨主体の脛骨骨幹部の骨密度が有意な高値を示し, 海綿骨主体の腰椎骨密度においても高値傾向を示した. (2) 大腿骨破断力および破断エネルギーにおいて, 有意な増加を示した. 以上により, 骨密度および骨強度の増加から, 食生活に豆乳を取り入れることは, 骨粗鬆症の予防に効果的であることが示唆された.