発汗マネキンの定常制御系が輸血用装置の応用によって開発され, このマネキンを用いて, 穿孔フィルム衣服が衣服の蒸発熱抵抗に及ぼす影響が検討された. 制御系はよく作動し, マネキン各部表面の温度を2時間以上にわたって一定に保つことができた.マネキンは, また, 全身を被覆するポリエチレンフィルムに開けられた孔のサイズを変化させることによって濡れ率1.0~0.06まで変えることができた. フィルム衣服の実験結果は, 妥当かつ再現性のあるものであった.即ち, 衣服の蒸発熱抵抗は, 被覆面積に従って増加し, 反対にフィルム内孔のサイズが大きくなるにつれて, 低下した. これにより, 新しく開発された発汗マネキンは, 快適性に関わりの深い衣服を通しての水分移動性の評価に有効であるとの結論が得られた.