κ-カラギーナン (Cl), ゼラチン (G1) の単独ゲルにおける力学的性状の濃度依存性について, それぞれカラギーナン0.45~0.9% (w/v), ゼラチン2~4% (w/v) の範囲で検討した.さらにカラギーナン : ゼラチン混合ゲルC-G (3:1), C-G (1:1), C-G (1:3) を調製し, 破断特性, 動的粘弾性, 融解温度について両者の混合割合による影響を調べた.また, 単独ゲル, 混合ゲルの温度依存性についても検討を行った. カラギーナン, ゼラチンを混合すると, 破断応力, 破断エネルギー, 貯蔵弾性率, 損失弾性率が低下し, 一方のゲル化剤が他方のゲル化剤に対し阻害的に働くことが示された.カラギーナンゲルの融解温度は濃度依存性が高いことが認められた.また, 混合ゲルの融解温度は, そのゲルが含有するカラギーナンの融解温度とほぼ一致した.単独ゲル, および混合ゲルC-G (1 : 1) の, 破断応力, 破断エネルギー, 貯蔵弾性率, 損失弾性率は, 20℃より高温側で温度依存性がみられたが, 15℃以下ではエソトロピー的挙動との重畳による値の停滞または上昇が認められた.