岐阜県学事関係職員録を資料として, 中学校家庭科担任教員の状況について解析し, 以下の結果を得た. 1) 中学校家庭科は家庭の教員免許を持たないと推定される教員の兼担によって実施される割合が高く, 小規模校ではこのような兼担の割合が極めて高かった. 2) 家庭を兼担する教員は, 家庭科の背景となる科学よりも性別の側面から選定される場合が多いと推定される. 3) 家庭の教員免許を持つと推定される家庭科担任教員のいない学校は, 全教科の中で最も多かった. 4) 家庭の教員免許を持つと推定される家庭科担任教員が3名以上いる学校は全教科の中で最も少なかった. 5) 家庭科担任教員は技術科担当教員と比べても, 免許を持つと推定される教員数が少なく, 免許外と推定される教員による兼担の割合が高かった.