アルキル鎖長が10~16, EO付加モル数が5~8の範囲のポリオキシエチレンアルキルエーテル (AE) の同族体の生分解性を, リバー・ダイ・アウェイテストにより, 比較検討した. DO, CTASおよびTOCによる分析の結果, CTASによる1次生分解の消失とDOの最低値を得る時点は, TOCが減少し始める時点と一致することが認められ, TOCのみの分析により生分解性を明確にできることを確認した. 20℃において, AEの初期生分解速度は早く, アルキル基炭素数の増加に従い減少するが, 究極的生分解にはあまり影響はみられず, いずれも穏やかに消失した.またEO付加モル数の影響は顕著ではなかった.しかし, 10℃においては, 20℃より1次生分解後の誘導期間が長くなり, 30日後にも有機炭素がかなり残存していた.この傾向は炭素鎖が長いものやEO付加モル数の多いものほど顕著であった.また, 試水中のAEの濃度が10~30mg/lの範囲では, 濃度が高くなると, 分解に時間を要することが認められた. 今後, AEの生分解における, TOCの2段階の消失過程と, 分解経路との関係につき, さらに検討するつもりである.