藍藻類に属し淡水藻であり, 食用として消費されている水前寺ノリと, 食することができるが未利用のイシクラゲおよびそれらより抽出したペクチン様成分を高コレステロール (chol) 食に添加し, 血清cholおよび肝臓chol上昇抑制作用について検討した. 1) イシクラゲおよび水前寺ノリをそれぞれ5%含む飼料をラットに投与し, 21日間飼育したが発育状況に対して影響を及ぼさなかった. 2) イシクラゲそのものおよび2種の藻類から抽出したペクチン様成分のいずれにも, 血清および肝臓のT-cholの上昇を抑制する作用があった.イシクラゲから抽出したペクチン様成分で, その効果が大きかった. 3) 糞中への排泄胆汁酸および中性ステロール量が各試験群で増加した. 4) 高chol食に対する, 血清のT-chol上昇抑制作用は難消化性多糖類部分であろうと推察された.