1) キウイ果汁は, これに肉を浸漬することにより肉の軟化効果をあらわすことが認められた. 2) 肉の軟化効果はテクスチュロメーターで測定の結果, キウイ果汁20%添加で浸漬120分後から, 50%添加で浸漬10分後から有意にあらわれた.また, 官能検査の結果では20%添加で浸漬20分後から, 50%添加で10分後から有意にあらわれた.この軟化効果は添加量添加時間の増加に伴って進行した. 3) 肉組織の光学顕微鏡による観察の結果, キウイ果汁浸漬により肉の表面近くの筋原線維蛋白質が顆粒化することが明らかになった. 4) SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動の結果, キウイ果汁浸漬により肉の表面近くの筋原線維蛋白質中のミオシンが分解され, 150,000 dalton fragmentになっていることが認められた. 5) 日常の調理に応用する場合, 今回の実験条件の中ではキウイ果汁添加50%, 浸漬時間20分の浸漬条件が総合的に最も好ましいと考えられた.