転移ガラクトオリゴ糖溶液 (GO-S) は38.2%の転移ガラクトオリゴ糖を含んでおり, 甘味食品素材の1つとして利用されている. Torulaspora delbmeckii 及び Saccharomyces cerevisiae に対する発酵性を調べるとともに, GO-Sの添加及び置換が製パン性に与える影響について検討した.液体培地中では両イーストともに転移ガラクトオリゴ糖を利用しなかったが, GO-Sでは溶液中の発酵性の糖を利用して, ガス発生を行った.両イーストともに小麦粉に対して5%までのGO-Sの添加は二次発酵時のガス発生に影響を与えなかった.GO-S 2.5%以上の置換はガス発生を減少させた. S. cerevisiae では冷凍生地調製法においてTOS溶液混入によるガス発生力の改善は見られなかった.非冷凍・冷凍生地の物性に対してGO-Sの添加または置換は影響を与えなかった.また, GO-Sはアミログラフにおける糊化特性に影響を及ぼし, GO-Sの濃度上昇とともに最高粘度は上昇した.官能検査結果より総合的に判断するとGO-Sの混入量は0.5から2.5%が望ましい.