具を複数用いた炊き込み飯において, 具の組合せによる飯の塩分吸収状態やテクスチャーを明らかにし, 適切な調味方法の検討を行った.結果を以下に要約する. (1) 飯のナトリウム吸収率は, 醤油のみより食塩と混合した方が高まった. (2) 異なる配合割合の混合具を用いた炊き込み飯は各具の塩分吸収特性を反映し, 飯のナトリウム吸収率に違いが認められた. (3) 飯の塩味の濃さに基準を合わせた調味料の添加では具の塩味が濃くなるため, 炊き込み飯全体としての塩味が濃く感じられた. (4) 塩味の濃さが好ましい評価を得たものは, 飯も具も塩分濃度が0.65%程度であった. (5) 醤油を添加した調味液に米を2時間浸漬する, あるいは醤油と食塩を混合して用いることより, 飯のナトリウム吸収率を高めることができ, 具がナトリウムを吸収しやすい組合せへの適用が考えられた.一方, あらかじめ調味液につける方法では具の塩分濃度が高くなった. (6) 米を調味液に2時間浸漬する方法や醤油の半量を食塩により調味する方法により, 米飯の破断エネルギーが低下した.