幼若ラット (6週齢 : 97g) を35日間, 通常タンパク質飼料 (カゼイン15%) および高タンパク質飼料 (カゼイン35%) に, 各々ラクツロースシロップを19%添加した飼料で飼育し, ラットの成長に及ぼす影響を明らかにする目的で実験をおこなった. ラクツロース含有飼料投与により, 各々の対照群に比べ次のような結果を得た. (1) 体重増加量および飼料摂取量が低い傾向を示した. (2) 体重増加率, 飼料効率およびタンパク質効率は低い傾向を示した. (3) 肝臓, 腎臓, 小腸および盲腸内容物全量で有意な増加が, 後腹壁脂肪で有意な減少がみられた. (4) 後腹壁脂肪の脂肪酸組成はC18 : 2 ( n -6) が有意に高く, 16 : 0が低い傾向を示した. (5) 盲腸内のpHは低下し, ビタミンB1およびB2総量と, Bifidobacterium (盲腸内容物1g中および盲腸内容物全量) は増加した. 以上のことから, 幼若ラットにラクツロースシロップ19%を投与すると, タンパク質レベルの相違に関係なく, ラットの脂肪蓄積防止作用と盲腸内の Bifidobacterium , ビタミンB1およびB2量の増加, pHの低下に効果があり, 高タンパク質飼料への添加でより顕著であることがわかった.