本実験の目的は女性被験者が1日の異なる時間帯に温暖な環境にさらされたとき, 衣服の脱衣行動は異なるのかを調べることである。人工気候室の温度が15℃から30℃まで1時間かけて上昇するとき, 被験者は常に自分が快適になるように衣服を調節することを前もって指示されていた.環境温上昇時, 午前より午後の方がもっと早く, そしてたくさんの服を脱ぐという結果が得られた.このことは体温調節のための脱衣行動がサーカディアンリズムの影響を受けることを示している.深部温のセットポイントは実際の深部温より先行していると考えられていることから, 午前は実際値より上に, 午後は下にセットポイント値があることが考えられる.これらを考慮し, 本実験の結果を体温のセットポイントと実際値のあいだの負荷誤差の立場で考察する.