(1) 博多湾で1986年3月から1987年2月まで毎月採集したアサリ成貝の全軟体部を内臓部分 (生殖腺, 中腸腺, 胃と腸) と筋肉部分 (外套膜, 水管, 足, 鯉, 閉殻筋) の2つに分け, 一般成分の分析を1年間にわたって行った. (2) 一般成分の年平均値は, 水分79.4%, 灰分2.2%, タンパク質13.7%, 脂質1.3%, 糖質3.4%, グリコーゲン2.7%であった.タンパク質と糖質は対称的な変動を示し, 糖質は3月から9月に多く, 12月に最低となった. (3) 全軟体部中にしめる内臓部分の重量比は35~50%で, 3月から10月にかけて増加していた. (4) 化学分析の結果より, 糖質の含量が多い3月から9月ごろ (6月を除く) が旬であると推定した.