昆布の膨潤におよぼす脱気水の効果を, 重量測定と緩衝能変化から経時的に観測した.吸水量と可溶性成分の溶出はいずれも時間と共に増加し, 単純な飽和曲線を示した.見かけの一次反応速度定数は, 吸水量よりも可溶性成分の溶出の方が大きかった.これは, 脱気水でも同じ傾向であった.またこれらの値は, 脱気水の方が普通水よりも, 低温側で小さく, 高温側でほぼ同じであった.最大変化量は, 低温になるほど顕著であった.脱気水と普通水の溶存酸素濃度の差に対する最大変化量の比は, 比例関係となり, 10ppmあたり約13%の効果であった.