米飯の保存中の食味低下, すなわち米飯の老化感の客観的評価方法を検討し, 以下の知見を得た. (1) 官能検査により米飯の老化感を測定した結果, 一般的に家庭で食している米飯 (日本晴加水比1.5) レベルでは, 保存5時間ですでに有意に老化していると評価され, SEMによる微細構造も保存5時間で変化が始まっていた. (2) BAP法による糊化度と老化感の保存中の変化は, 特に保存初期において必ずしも対応しなかった. (3) 物性測定のパラメータを説明変数, 米飯の老化感を目的変数として変数増減法による重回帰分析を行った結果, テクスチュロメータのHと-Hを用いた重回帰式 Y (米飯の老化感) =0.86 X ( H ) -3.15 X ( H ) -0.48 ( R' 2=0.87) によって米飯の老化感を精度良く予測できることが明らかとなった.