「ハレ」すなわち “非日常” の食生活の実態および変動を知る目的で, 1986~1992年の1月1~3日における喫食料理・時刻・場所について, 首都圏の短大に在学する女子学生を対象に調査を行い, 3観測年, 3日間の時系列解析により, 以下のような結果を得た. (1) 1日目 (元旦) から3日目にむけ, 喫食時刻に対する料理出現件数は2ピークから3ピークヘシフトすることが示された. (2) 主食, 副食, 汁物の喫食状況について年間変動はみられなかったが, 日間変動に有意差が認められた.嗜好食品の年間変動には有意差が認められた. (3) 「雑煮」, 「おせち」, 「屠蘇」の喫食状況について年間変動はみられなかったが, 日間変動に有意差が認められた. (4) 主食にみられた家庭外食割合は15~23%を示した.主食の家庭外食の状況について年間変動, 日間変動いずれにも有意な差が認められた. 主食の家庭内食の様式について年間変動はみられなかったが, 日間変動に有意差が認められた.1日目 (元旦) から3日目にむけ「和風」料理が減少し, 逆に「和風以外」料理の増加がみられた. (5) 料理の3日間の変化において, 1日目 (元旦) から3日目にむけ “非日常” の料理から “日常” の料理への移行を観察することができた.特に, 伝統や慣習が継承されている “非日常” の料理は1日目 (元旦) にのみ顕著であったと思われる.